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在庫管理ノウハウ集

リアルタイム実在庫管理システム「RIM」。WMSとの違いとハマる現場をカンタン解説!

システム基礎知識

今日はRIM(Realtime Inventory Management、リアルタイム実在庫管理システム)について解説します。

WMSと似た仕組みではあるんですけれども、決定的に違う部分があって、その違いによって適してる現場も違ってきます。

今日は、RIMがどういった仕組みなのか?
WMSとどう違うのか?
そしてどういった場合に適しているのか?

簡単に解説したいと思います。

先ほどRIMはリアルタイム実在庫管理システムだと言いました。
「在庫」じゃなくて「実在庫」ってわざわざ付けているのはなぜでしょうか?

在庫情報の中には「理論在庫」、帳簿在庫とも呼ばれる情報があり、それとは違うんですよ!「実在庫」を管理する仕組みなんですよ!
ということを強調するために、そうした言い方をしてます。

では、理論在庫(帳簿在庫)とは何でしょうか?
これは仕入れ伝票だとか、売上伝票の処理。
仕入れだ、売上だっていうところから記録された、「理論上これだけ在庫が残ってるはずだ」という情報です。
これはこれで、会社として非常に重要な情報になります。

一方で、実在庫は、実際に所有・保管されている、つまり倉庫の中にある実際の在庫です。

この「理論在庫」と「実在庫」。
本来は合うはずな気がするんが、なかなか合わない。
棚卸すると差異が出てしまう=「合ってない」状態です。
こういう状況って非常に一般的にあります。

理由はいろいろあります。
いくつか例を挙げてみましょう。

入出庫のミス

仕入れ伝票で「30個仕入れました」と処理して、30個だと思い込んで受け入れをしたけど、実際(現物)は30個じゃなかった。
それに気づかなかった。

不適切なイレギュラー処理

在庫を破棄したり、営業部門がサンプルで持ち出したり。
売上処理に絡まない動きがあったのに、それを適切に処理しなかった。

モノの動きとシステム処理のタイムラグ

仕入れはお金とも絡むので、納品書が届かないと処理しないルールになっている会社もあります。
モノは届いているのに納品書がまだ来てないから仕入れ処理がされない。
または、事務の方でシステムへの入力が追いつかない。
このように、物の動きと処理(データ)の間にタイムラグがある。

このように理論在庫と実在庫はずれがちなので、現場では紙やホワイトボード、Excelを使って実在庫を把握しようとしています。
でもやっぱりアナログなやり方なので、非効率で不正確。
Excelもデータが重くなるし、作った人がいなくなるとよく分からなくなったりと課題が残ります。

実在庫の管理もシステム化しましょうよ、というのがRIM(リアルタイム実在庫管理システム)です。

適切に実在庫を把握するためのデジタル化

実在庫の動きに合わせたシステムへの反映をどのように実現するのでしょうか?

これが入ってきたよと紙にチェックしたり紙に書いて、事務所に回す。
事務所では集めた紙を見てオペレーターが打ち込む。
これだと、タイムラグが大きくなってしまいますし、工程がいくつもあるのでミスが混入しやすくなってしまいます。

やはり、バーコードやQRコードを使って、スマートフォンやハンディターミナルで現場から直接入力していく
これが有効なツールになってきます。

RIMを導入することで現場でダイレクトに入力していくことを可能にして、リアルタイムで正確な在庫把握を実現できます。

実在庫管理システムの2タイプ、WMSとRIMの違い

RIMに似た仕組みでWMS(Warehouse Management System))という仕組みがあります。
倉庫管理システムですね。

リアルタイムに実在庫を把握できる点では同じですが、決定的に違う部分があります。
WMSは入庫予定や出庫指示といった「予定系の情報」を扱い、入庫予定や出庫指示といった予定を登録して、作業支援や進捗管理までカバーします。
一方RIMは予定系のデータは扱わない、シンプルな仕組みです。

では、システムでは入庫予定や出庫指示を扱わない業務や運用とはどのようなものでしょうか?

予定が立たない在庫

設備が壊れた時に緊急で使う、保管している部品在庫。
そのほか、営業のサンプル出荷や、社内備品の在庫など。
こうした在庫は予定が立たず、システムに出庫予定を登録したいというニーズが発生しません。

大まかな予定しかない在庫

工場で生産したものが入ってくる倉庫では、生産計画はありますが、歩留まりで実際の数は変わってきます。
そのため、正確な入庫予定情報ではありません。
農作物も「今週だいたい何トン」くらいの予定はあっても、収穫してみないと分かりません。
こうした、ある程度予定はあるけれども、正確な予定ではないよ、という情報をシステムで扱うと、予定の修正に手間取ったり、予定と実績の差の処理を強いられたりと、結構手間になってしまいます。
そのため、システムへの反映としては実績だけ登録していけばいいよ、という運用も多く見られます。

簡単に早期に改善したい場合

利用部門が自分達主導で導入するケース。
欲を言うと予定を扱って作業支援までカバーできれば良いけれど、まずファーストステップとして今困っているリアルタイムで正確な実在庫の把握や入出庫を実現する。
まずそこの部分を簡単に早期に改善したい。

こういったケースでは、WMSよりもRIMが適していると言えます。

さいごに

今日はRIM、リアルタイム実在庫管理システムについて解説しました。
非常に軽量な仕組みで、マスターファイルを取り込んですぐ立ち上げられます
そのため、利用部門で導入・運用しやすい仕組みです。

我々が提供している「在庫スイートクラウド」では、RIMに相当するのが「Lite」エディション。
WMSに相当するのが「Pro」エディションです。
Excelで実在庫管理していて「合わない」「手間がかかる」「ファイルが重い」といった課題をお持ちの方は、ぜひご相談ください。

 編集者情報

角 三十五
(かど みそご)
代表取締役

大学卒業後、ハンディターミナルメーカーでプロジェクトマネージャーとして従事。2001年インフュージョンを設立。2003年よりパッケージ化したバーコード在庫管理システムを提供開始。2014年にクラウド/SaaS化した「在庫スイートクラウド」をリリースし、2,146拠点以上に導入されるサービスに成長。20年以上の経験と専門知識を活かし、コンサルティングを行っている。

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