バーコードの付いていないアイテムをバーコードで管理するには
目次
はじめに
POSレジを通すアイテムであれば、メーカーがJANコードなどの流通用バーコードを印刷してくれています。
段ボールにはITFと呼ばれる物流用のバーコードが印刷されています。
これをソースマーキングと言います。
一方、製造業が取り扱う部品・材料・資材の多くはPOSレジを通す可能性がなく、JANコードが印刷されていません。
外箱(段ボール)にもITFが印刷されていることはありません。
我々も、お客様から
「うちの取扱品はJANコードが無いものが多いのですが、どうやったらバーコードで管理できますか?」
という質問をよく受けます。
対応方法は大きく「モノ」「保管容器」「棚」「バーコードブック」の4パターンです。
「モノ」に貼るといっても、どう貼るかで手間や運用が大きく変わります。
本コラムではそれぞれの具体的な対処法と特徴を紹介します。
自社に適したやり方で快適なバーコード在庫管理を実現してください。
モノに貼る
一番イメージしやすいのが「モノ」にバーコードラベルを貼るパターンでしょう。
モノとバーコードが一体となっていますので貼り間違えさえなければ、その後は安心してバーコード管理ができます。
特に、ロット(製造LOT、製造日、入荷日、使用期限など)別で在庫管理するため、バーコード/QRコードにアイテム+ロット情報を盛り込む運用ではモノに貼って運用が殆どです。
貼り方については3パターン紹介します。
●1つずつ貼る
単品ひとつずつに直接貼ります。
単品で保管されることがある場合は、貼って運用する必要があります。
●段ボールに1つ貼る
同じアイテムが入っている段ボールで保管する場合は、段ボール(外箱)に1つ貼ることで運用可能です。
1つずつ貼るのに比べると貼る負担は減ります。
●パレットに1つ貼る
パレット上に同じアイテムの段ボールが搭載されている場合は、パレットにひとつ貼って運用することもあります。
この場合、A4用紙に大きくバーコードやQRコードを印刷するケースも多く見られます。
モノに貼る場合の発行方法(動画あり)
モノに貼る場合、ラベルを発行し入荷時に貼り付ける必要があります。
その方法についても紹介しておきます。
アイテムだけを関する場合は、あらかじめ発行しておくことが可能です。
アイテムの種類が多いと、該当アイテムのバーコードを探すのも大変になるので注意が必要です。
また、バーコード/QRコードにアイテム+ロット情報を盛り込む場合は、あらかじめ発行することはできません。
そうしたケースでは入荷ごとに発行します。
入荷ごとに発行する際のプリンターは、入荷場付近にノートPCとセットで置いて発行したり、ハンディターミナルやスマートフォン+モバイルプリンターを使いその場で発行します。
↓こちらの動画では、各プリンターのラベル発行の様子をご覧頂けます。
<ノートパソコン+卓上プリンターでの発行>
※一般的なプリンターを使いタックシールで印刷することも可能
<スマートフォン+モバイルプリンターでの発行>
保管容器に貼る
金属部品など、モノに直接ラベルが貼れない場合によく採用されるのが、保管容器にバーコードラベルを貼る方法です。
容器に貼られたバーコードと違うアイテムを入れないよう注意する必要はあります。
容器内が空になった後に違うアイテムを入れる場合は、一旦ラベルを剥がして新たなバーコードラベルを貼り直します。
バーコード/QRコードにアイテム+ロット情報を盛り込む場合、ロットが異なれば貼り直しが必要です。
頻繁な貼り直しが発生する現場では、カードポケット付の容器を使うケースも見られます。
<容器ごとに貼る>
棚(保管位置)に貼る
アイテムごとに保管位置を決めて運用する場合は、棚にアイテムを示すバーコードを貼ることで対応できます。
一度貼れば済むので運用負担は軽いと思われがちですが、そうとも言えません。
新規アイテムが発生すれば棚を確保する必要があり、廃品となればバーコードを外す必要があります。
また、バーコード/QRコードにアイテム+ロット情報を盛り込む場合は、ロットが変わるごとに棚を確保する必要があり現実的ではありません。
ロット別管理の必要がなく、アイテムの入替が少ないケースでのみ採用できる方法といえます。
<棚に貼る>
バーコードブック(帳票)を用意する
モノ・容器・棚に貼れない場合は、コンビニのおでんのようにアイテムを示すバーコード一覧を用意します。
アイテムの種類が多いと該当のバーコードを探すのが大変となるので、分類タブを付けて分類ごとのバーコード一覧とします。
この方法もロット別管理の必要がなく、アイテムの入替が少ないケースでのみ採用できる方法といえます。
なお、同じ帳票でも入荷予定書や出荷指示書の明細毎にアイテムを示すバーコードを印刷する方法もあります。
この場合は、アイテムの入替には影響を受けませんが、予定のない入出庫や移動や棚卸をどのように登録するかが課題として残ります。
<バーコードブックの一例>
複数の管理方式の混在
JANなどがソースマーキングされていないアイテムのバーコード管理方法を4パターン紹介しました。
すべてのアイテムで同じ方法で運用できることが望ましいのですが、それが必須という訳ではありません。
「基本はモノに貼るけれど、長尺モノだけはバーコードブック(帳票)を読む」
といった様に、柔軟に対応されている現場もあります。
- バーコード/QRコードにアイテム+ロット情報を盛り込む場合は、モノにバーコードを貼る方法しかないこと
- システムによるロット管理が不要でアイテムの入替が頻繁には発生しない場合は、棚やバーコードブックでも管理できること
- 容器・棚・帳票は、アイテムの増減が発生する度に容器や棚の準備や、バーコードブックを差し替える必要があること
- 箱に入っていない金属部品などは保管容器にバーコードを貼って管理することが適していること
といったポイントを押さえて、自社に適した方法を採用して下さい。
バーコード・QRコードを活用した在庫管理については「在庫管理におけるバーコード・QRコード導入のメリット・デメリット」でご確認頂けます。
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大学卒業後、ハンディターミナルメーカーでプロジェクトマネージャーとして従事。2001年インフュージョンを設立。2003年よりパッケージ化したバーコード在庫管理システムを提供開始。2014年にクラウド/SaaS化した「在庫スイートクラウド」をリリースし、1,855拠点以上に導入されるサービスに成長。20年以上の経験と専門知識を活かし、コンサルティングを行っている。
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