誤出荷がひとたび発生すると、返品対応や再発送、信用低下につながる――まさに“避けるべき損失”です。
この問題の代表的な解決策として「バーコード検品」が急速に普及しています。
今回は、バーコード検品の基本的な考え方を紹介します。
目次
出荷作業におけるバーコード検品とは?
出荷作業のときに、「本当に正しいアイテムが出庫/出荷されるか?」をチェックするために、アイテムのバーコードを読み取って、指示データと照らし合わせる仕組みです。これが「バーコード検品」と呼びます。
在庫スイートクラウドの「バーコード検品」機能
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バーコード検品で誤出荷は「完全になくなるのか」
アイテムの間違いや入れ忘れといった「誤出荷」を、大きく減らすことができます。
目で確認するだけの場合に比べて、ミスが1/10〜1/100に減ったという例もあります。
ただし、完璧にゼロにするものではありません。
完璧ではない理由
- すべてのアイテムを読み取る訳ではない(特にBtoBでは数が多いため)
- 数量のチェックは、目で数える場面が多い(特にBtoBでは数が多いため)
- バーコードの貼り間違え(自社でラベルを貼付する場合)
- バーコード検品後の作業でミスが発生
それでも「見た目だけで確認する」よりはずっと正確になります。
セルフレジのように数量を自動認識できる?
バーコード管理では、数量は目視確認も多いと説明すると、
「スーパーのセルフレジではバーコードを読むだけで数えていないのに」
とおっしゃる人もいます。

当社が提供する「在庫スイートクラウド」のスマホアプリでも、数量をテンキーで入力する動作モードと、アイテムのバーコードを読むたびに数量を自動カウントアップする「セルフレジ風」の動作モードの、2つの動作モードがあります。
セルフレジ風の動作モードであれば、自動カウントアップさせて数量を認識できます。
在庫スイートクラウドの「自動カウントアップ」機能
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ただし、こうした運用が採用できる現場には条件があります。
- モノひとつひとつにバーコードがあること
- モノが小さいこと(読んだものが分かるよう、読み終えたら別の袋や箱に移す)
- 数は1個~少量であること
まさにEC倉庫の出荷などが該当します。
一方、BtoBでは、モノひとつずつにはバーコードを貼ったり、それを読む運用が現実的ではないケースが多くあります。
数が多く、モノも大きくて動かせないと、どこまで読んだか分からなくなりがちです。
自社に適した方法を採用することが重要です。

他の方式と比べてどうなの?
アイテムを自動認識しチェックする方法には、RFID、画像認識、重さでチェックする方法など、 他にもあります。
でもそれらは専用の機械やシステムが必要で、コストも高く、使い方も難しいことが多いです。
RFIDのデメリット
導入コストが高い。水や金属など環境影響を受けやすい。読み取りの過剰やモレが起きやすい。
画像認識のデメリット
同じ方向にすべてのバーコードが見えていないと認識できず、適用できる現場が限定的。
秤による重量チェック のデメリット
導入コストが高い。数は認識できるがモノは認識できない。数が増減した理由が記録されない。
その点、バーコード検品は、
- スマホやハンディ端末で検品できる
- 使い方もシンプル
- コストも安い
といった理由から、「誰でも始めやすい」実用的な仕組みです。
バーコード検品でも「ゼロにならない」残存リスクとその対処
どのような仕組みであれ、導入すればすべて解決するものではありません。
「仕組み×運用」の組み合わせが重要となります。
自社のバーコード検品における「誤出荷ゼロにならない」リスクを把握し、運用面での対処も検討することで、「誤出荷」を大きく減らすことができます。
数をテンキー入力する運用
指示どおりのアイテムと数量を入力したが、違うアイテムが混入していたり、実際の数が違っているリスクが考えられます。
間違ったメカニズムを確認し、運用上の注意点を手順書に書き、スタッフに浸透させるのが基本です。
バーコード検品で誤出荷を1/10~1/100に減らすることができた現場を見ていると、稼働後のモニタリング(誤出荷率の確認や現場へのヒヤリハット収集など)とフィードバック(運用ルールの改善や浸透方法の検討など)を上手くやられています。
数を自動カウントアップする運用
セルフレジ風の自動カウントアップモードでも、読み飛ばしや、多重読み取りのリスクはあります。その場合、検品機能(=システムの照合機能)でエラーが発生するケースもありますが、発生しないケースもあることを抑えておきましょう。(例:現物は少ないのに、多重読み取りしてしまう etc.)
また、自動カウントアップモードとはいえ、セルフレジ同様、数量のマニュアル入力はできます。気づかないうちに、作業者が数量のマニュアル入力を多用するリスクもあります。
「5個以下なら数量のマニュアルモードは使わない」といった運用ルールを定めて手順書に書き、スタッフに浸透させましょう。
なお、数量のマニュアル入力の頻度が高い現場は、自動カウントアップが適していない可能性も考えられます。現場に適した動作モードの採用と運用方法を再検討するのもひとつのアプローチです。
バーコード検品なら在庫スイートクラウド
誤出荷への解決策として、急速に普及する「バーコード検品」。 当社が提供する 在庫スイートクラウドPro は、 入出荷のバーコード検品をトータルに提供する仕組みです。
スマホは、Android/iOSに対応しています。スマホのカメラでバーコードやQRコードを読み取り、バーコード検品ができるため、現場のスタッフでも簡単に使えます。
バーコードやQRコードラベルの発行機能も充実しています。
バーコード検品にご興味のある方は、お気軽にご相談ください。