フリーロケーションに適した在庫管理とは
フリーロケーションとは
コラム「ロケーションとは」で紹介したように、倉庫内における在庫の保管方法として
・固定ロケーション
・フリーロケーション
・ダブルトランザクション
の3タイプがあります。
※3つのタイプの違いはノウハウ集「ロケーションとは」をご覧下さい。
今回は要望の多い「フリーロケーション」について詳しく紹介したいと思います。
フリーロケーションとは、どの棚(ロケーション)にどの品目を保管しても良い運用。
入庫した在庫は、空いている場所に保管していきます。
アマゾンの物流センターが採用していることでも有名です。
よくアマゾン倉庫をテレビ局が取材し、
「全然違う本が隣に並んでいます!」
とレポートしていますが、まさに典型的なフリーロケーション運用での倉庫の様子と言えるでしょう。
フリーロケーションを採用するメリット
フリーロケーションは、
「棚が空いているけれど、別の商品の置き場所だから置けない・・・」
ということはありません。
保管スペースを効率的に使えるのが最大の特長です。
倉庫が手狭になったので、固定ロケーションからフリーロケーションに移行する、というお話をしばしば耳にします。
また固定ロケーションやダブルトランザクションは、新製品や廃品が発生すると「棚割り」を見直す必要がありますが、フリーロケーションには棚割りがありません。
商品入れ替え時の運用負担が軽い点もメリットです。
フリーロケーションが効果を出す条件
しかし、全ての現場でフリーロケーションが適している訳ではありません。
フリーロケーションの効果を導き出すには、いくつかの条件をクリアする必要があります。
まず1点目は、ロケーション(棚番)別の在庫数を正確に把握すること。
何処に何があるのかをしっかりと把握していることが前提条件になります。
固定ロケーションでは少々在庫がずれていても出庫はできます。
しかし、フリーロケーションでは、どこに何がいくらあるのかを把握していないと
「指示通りに取りに行っても無い!」
といった事態に陥ってしまうのです。
高い精度でのロケーション別在庫管理が求められます。
2点目は、ピッキング効率が大きく劣化しない運用であること。
フリーロケーションは、同一ジャンルや同一シリーズはもちろん、同一品目ですらバラバラに保管される可能性があります。
フリーロケーションでもあまりピッキング効率が落ちない倉庫で有効な運用なのです。
代表的なのがネット通販倉庫。
多くのネット通販倉庫はフリーロケーション運用が適しています。
ネット通販で扱うものは宅配便で運べる程度の大きさで、注文は少量。
モノが小さく数も少ないので、フリーロケーションで保管されていても、同一アイテムを複数のロケーションから出庫(ピッキング)することが殆どありません。
フリーロケーションで運用してもピッキング効率は大きく劣化しないのです。
逆に、モノの体積が大きく、パレットをフォークリフトで運び保管・入出庫する倉庫もフリーロケーションに適しています。
こうした倉庫では、1ラックの保管スペースより、1アイテムの在庫スペースのほうが大きいため、必然的に複数ラック(ロケーション)での保管となります。
フォークを使いラックからパレット(とその上の在庫)を取り出せば、そのパレットは出荷場に運ばなければなりません。
ラックと出荷場の往復となるのは固定ロケーションでもフリーロケーションでも同じ。
フリーロケーションだから導線が長くなってしまうということがないので、ピッキング効率は落ちないのです。
こうした条件が成立している倉庫では、ピッキング作業効率は維持しつつ、フリーロケーションのメリットを享受できます。
フリーロケーションで求められるシステムとは
フリーロケーションは管理に手間がかかるため、システムを活用した運用が必須だと言われています。
では、フリーロケーション運用で求められるシステムとはどのようなものでしょうか?
先ほど述べた様に、ロケーション別での在庫管理は必須です。
「どの棚にどんなアイテムがいくつあるのか」
ロケーション別在庫管理は、フリーロケーションを行う上での基本機能です。
ただし「紙でメモし、事務所でパソコンへ入力」といった運用では生産性があがりません。
多くの場合、ハンディターミナルを用い、現場でロケーションと在庫のバーコードを読みシステムへ直接、入庫登録します。
その上で、更に求められる機能が「ロケーション引当機能」です。
出荷件数が少なければ、ピッキング(出庫)前に、パソコンの在庫画面を確認し、取り出すべきロケーションを把握できます。
実際、そうしてフリーロケーション運用されている現場もあります。
しかし、件数が多い場合はそんなやり方では追いつきません。
出荷指示と在庫情報より、出庫すべきロケーションを決定し、作業者に指示する機能が求められるのです。
作成された指示はピッキングリストとして発行したり、ハンディターミナルの画面に表示させます。
取り出すべきロケーションやロットが明記されるため、誰でもすぐに出庫できるようになります。
フリーロケーションを体感するには
システムを活用した運用が必須だと言われるフリーロケーション。
我々が提供する「在庫スイートクラウドPro」ユーザーも多くがフリーロケーションで運用されています。
「在庫スイートクラウドPro」は無料で30日間ご利用いただける体験版もございます。
「PC」「iPhone」「在庫スイートクラウドPro体験版」。
この3つがあれば、システムを活用したフリーロケーションがどこでも体感できます。
体験版のお申込みは「適合度診断」からとなっております。
フリーロケーションを検討されている場合や、フリーロケーションの作業生産性に課題がある場合のご検証にご利用ください。
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