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在庫管理ノウハウ集

OCRハンディターミナルで伝票番号を正確に読み取るための2つのポイント

システム基礎知識

OCRとは、文字を直接読み取るための技術です。
倉庫業務で多く用いられるハンディターミナルですが、バーコードやQRコードに加え、OCRを搭載したタイプも増えています。
本記事では、倉庫業務における伝票番号のOCR読み取りに関するノウハウを紹介します。

当社が提供する「在庫スイートクラウド Pro」では、基幹システムが発行する納品書の番号を読み取ることで、ハンディターミナルの画面にピッキング指示を表示することができます。
ピッキングリストは不要になり、地球にやさしく、コストも抑えられるため、良いことづくめです。

納品書の番号を読み取るためには、バーコード化がベスト。
しかし、納品書を発行する基幹システム側でバーコードが印字できない場合もあります。
そんな時に活用するのがOCRです。

ただし、帳票のデザインが、読み取りに大きく影響します。
本記事では、伝票番号をOCRで読む際、どのような帳票デザインが望ましいのかについて紹介します。

ピッキングリストを発行しない運用については、ノウハウ集「ピッキングリストを印刷出力せずに作業指示を伝える方法」でご確認いただけます。

スマートフォンに表示されるピッキング指示

余白(マージン)の大切さ

OCRにおいて、伝票番号を1つのブロック(文字の塊)として認識できるよう、上下・左右に余白(マージン)があることが重要です。
例えば、行間が詰まっていて上の行の文字と重なってしまうと認識できません。

左側:上の行と微妙に重なっており、伝票番号を1ブロックとして認識しづらい/できない
右側:上の行とは(狭いが)余白があり、伝票番号を1ブロックとして認識できる
行間がつまり、文字が重なるのでOCRで読まない例

また、項目名との間の余白も重要です。
「伝票No.」の「.」をスペースに変えることで、正確に読み取れるようになった例もあります。

左側:項目名が近く、伝票番号を1ブロックとして認識しづらい/できない
右側:項目名の間に余白があり、伝票番号を1ブロックとして認識できる
項目名が近いのでOCRで読まない例

人だと読み取れる帳票デザインでも、OCRでは問題が発生する場合があります。
伝票番号の周囲の余白を確認しましょう。

項目名や罫線があらかじめ印刷されている帳票の場合、印字位置の微妙なズレで文字と重なり、OCR読み取りが出来なくなります。
項目名も合わせて印刷する帳票のほうがOCRに向いています。

フォントの影響

「OCRフォント」はOCRのために開発されたフォントです。
特に「OCR-B」フォントは、パスポートや運転免許証、マイナンバーカードにも採用されている身近なフォントです。
「OCR-B」フォントにすると読みやすくなるのでしょうか?
試してみたいと思います。

検証方法

納品書の発行は、弥生株式会社がリリースする「弥生販売」から行うこととします。
「弥生販売」では、「帳票レイアウタ」機能でユーザーが帳票のフォントやサイズを変更できます。
標準の納品書は「MS明朝」で印字されますが、伝票番号だけ「OCR-B」フォントに変えてみます。

伝票番号を2種類フォントで印字

ハンディターミナルは、株式会社デンソーウェーブ製の「BHT-M70」を使用。
OCRには8桁数字のみのフィルターを設定しました。

出庫の際、伝票番号をOCRで読み取る様子

読み取り結果

まず、どちらのフォントでも誤読せずに読めます。(素晴らしい)

ただし「OCR-B」フォントのほうが、読取スピードが速い印象です。
測ってみると、読み取り距離が広いことが分かります。(下記表 参照)

<フォント別 読み取り距離>
 フォントの種類   読み取り距離 
MS 明朝 9~17 cm
OCR-B 1~32 cm

読める距離に余裕があるため「パッと読める」という印象となります。
「OCR-B」フォントにすると、確かに読みやすくなるという結果となりました。

まとめ

在庫スイートクラウド Proでは、納品書の伝票番号を文字で読み取ることで、ピッキングリストが廃止できます。
余白やフォントに気を配ることで、OCRでも正確に読み取れることを紹介しました

倉庫業務のデジタル化においては、OCRがますます活用されることでしょう。
是非、ポイントを抑えた上で業務改善にお役立てください。

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