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在庫管理ノウハウ集

ピッキングリストを印刷出力せずに作業指示を伝える方法

システム基礎知識

出荷の際、保管場所を覚えていなくても、スムーズに商品を取り出すために役立つピッキングリスト
そうしたメリットがある一方で、デメリットもあります。
「シングルピッキングリストを印刷したくない」
そんなお客様のご相談が我々のもとにも来ており、実現したケースが複数あります。
今回はシングルピッキングリストを印刷せずに指示を伝える方法と、実現するための条件をご紹介していきます。

ピッキングリストとは?納品書や送り状との違い

ピッキングリストはピッキング作業者のための指示書

ピッキングリストとは、ピッキング作業(倉庫から荷物を取り出す作業)のための指示書です。
オーダー単位でピッキングする「シングルピッキングリスト」と複数オーダーをまとめてピッキングする「トータルピッキングリスト」の2種類あります。

シングルピッキングリストで一般的に印字される情報として、ヘッダー情報は、注文番号やユーザー名など。
明細情報は、保管場所である「ロケーション」、「アイテムを示すコード」や「アイテム名」、「数量」などが印字されています。
また、極力一筆書きの導線になるよう、明細は並び替えられています。
ピッキングリストがあれば、保管場所を覚えていないスタッフでも、正確かつ効率的にピッキング作業ができるようになります。

システムによってピッキングリストの印字内容も異なります。
ロケーションが印字されない指示書をピッキングリストと呼んでいるシステムもあります。

<ピッキングリストのサンプル>ピッキングリスト(サンプル)

納品書や送り状との役割の違い

出荷の際には、「納品書」や「送り状」もよく用いられる書類です。

納品書とは商品をユーザーに納める際、その内容を記した書類
納品書を添付して納めることは義務ではありません。
しかし、どの注文分の納品物かを明確にし、トラブルを防ぐために広く用いられています。

ヘッダー情報には、日付、ユーザー名、注文番号など。
明細情報には「アイテムを示すコード」や「アイテム名」、「数量」のほか、「単価」「税額」「総額」といった金額情報が印字されることも多くあります。
納品書はユーザーに提供する帳票ですので、取引に関係のない「ロケーション」は印字しません。

<納品書のサンプル>納品書サンプル

送り状とは、送る荷物に貼り付ける「配送伝票」です。
配送業者向けの書類であり、発送日付や住所、電話番号、送り先名や担当部門などを印字します。
荷物を正しく配送してもらうための書類であり、用紙サイズも限られます。
ピッキングリストや納品書と違い、梱包しているアイテムや数量などの明細情報は印字しないのが一般的です。
(1明細目の商品名だけをメモ欄に印字するケースはあります)

<送り状のサンプル>送り状(サンプル)

出典元:ヤマト運輸株式会社
(最終閲覧日:2022年11月16日)

<出荷で多く用いられる書類>
書類の
種類
対象 目的
納品書 得意先 どの注文分のどんな納品物かを明確にし、
トラブルを防ぐため
送り状 配送業者 荷物を正しく配送してもらうため
ピッキングリスト 倉庫作業者 正確かつ効率的に
ピッキング作業をおこなうため


ピッキングリストのデメリット

ピッキングリストがあることで、作業者は迷わず棚からモノを取り出すことが出来ます。
しかし、ピッキングリストを印刷すると課題も発生します

納品書や送り状との合わせ作業

納品書や送り状と合わせる作業が難しくなります
・納品書は販売管理システムや受注管理システムから発行
・送り状は配送会社の送り状システムから発行
・ピッキングリストは倉庫管理システム(WMS)から発行
といった様に、多くの場合は書類を発行するシステムが異なります。
ピッキングリストが加わることで合わせる作業が複雑になりますし、ミスも増えます。
合わせ間違えは誤出荷につながるため、見過ごせない問題となります。

納品書・ピッキングリスト・送り状の合わせ

コストやゴミの発生

ひとつは、コストの問題
発行枚数が多いと、コスト面で大きな負担となります。
1日1,000件のオーダーの出荷対応をされていた当社ユーザーは、シングルピッキングリストを印刷されていました。
ピッキングリストだけで、500枚×10のコピー用紙の箱を5日で使い切る量です。
用紙・トナー・ドラム代で1枚5円※、年間(240日)で120万円もかかっていました。
更に、プリンター代、保守費用、電気代、ごみ焼却費用も発生します。

※1枚5円の内訳:用紙代1円、トナー代3円、ドラム代1円

印刷コスト

もうひとつは、ゴミの問題
納品書は商品に同梱、送り状は荷物に貼るため残りません。
しかし、社内向けの作業指示書であるピッキングリストは最後はゴミです。
環境保全においても望ましいとは言えません。

ピッキングリストはゴミ

このようにピッキングリストには課題があるため、印刷することなく作業指示を出したいというニーズが生まれるのです。

ピッキングリストを印刷せずに指示を知らせる方法

我々が提供する「在庫スイートクラウドPro」は、ペーパーレスで作業者に指示が出せるよう、ハンディターミナルやスマートフォン画面にピッキング指示を表示させる機能を提供しています。
どのオーダーの作業をやるのかをシステムに通知さえできれば、ピッキングリストを印刷する必要はありません。

「納品書」「送り状」を活用したピッキング

通知方法として考えられるのが「納品書」または「送り状」の活用
納品書番号や送り状番号(問い合わせ番号・配送番号)が以下の条件を満たせば、活用できます。

<納品書番号または送り状番号が使える条件>
①出荷指示データ内に含まれていること
②ハンディターミナルやスマートフォンで入力できること

特に②ハンディターミナルやスマートフォンで納品書番号や送り状番号を入力できるかがポイントとなります。

最も望ましいのが、バーコード化されていること。
バーコード化されていればスピーディーかつ正確に入力できます。
問題は、バーコード化されていないケースです。

スマホ画面によるピッキング指示

考えられるのは「テンキー入力」や「音声入力」、「OCR読み取り」
テンキー入力や音声入力は桁数や件数が多いと負担が大きく、採用しづらい方法です。
残るはOCRですが、まずOCR対応のハンディターミナルが必要となり初期コストがかさみます。
また、どの程度読み取るのかはレイアウトによります。
我々も様々なレイアウトの納品書で検証しましたが、読みが良いもの、悪いもの、全く読まないものなど、結果はさまざま。
実機で検証するしかありません。

このように納品書番号または送り状番号がバーコード化されているのが望ましいのが現状です。

どんなレイアウトだと、正確にOCRで読まるのかはノウハウ集「OCRハンディターミナルで伝票番号を正確に読み取るための2つのポイント」でご確認いただけます。

伝票番号をOCRで読み取り

最後に

ピッキングリストを印刷せずに指示が出せると、作業効率が上がりコストダウンも図れます。
ゴミの削減によりSDGsへの取り組みにもなります。
トライすべきと感じられる企業も多いのではないでしょうか?

われわれは、クラウド型の実在庫管理システム/倉庫管理システム「在庫スイートクラウド Pro」を提供しています。
導入に合わせてピッキングリストを廃止した実績も複数ございます。
ペーパーレスでのピッキング指示に興味のある方はお気軽にご相談ください。

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