在庫管理・倉庫管理(WMS)のお役立ちノウハウまとめ
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在庫管理ノウハウ集

スマートフォンを在庫管理でハンディターミナルの様に使うには

システム基礎知識

はじめに

「ハンディターミナルは高いので、スマートフォン(iOS/Android)で在庫管理をやりたい」
当社にはこうしたお客様から、多くのお問い合わせがあります。

我々が提供するクラウド在庫管理システム/倉庫管理システム(WMS)は、全国840拠点を超える現場にご導入頂いております。
その中で、スマートフォンの利用率を2020年と2021年で比較すると、28%から54%と1年間で26%も増えているのです。
当社の在庫管理システムにおいて、スマートフォンの活用が急速に進んでいることが分かります。

在庫管理システムにおけるスマートフォン利用率推移

以前は「スマートフォンはハンディターミナルの代用が出来るのか?」という質問が多かったのですが、ここまで普及が進むと出来ることは周知の事実。

しかし、何でもできると思い込みトラブルになることも。

<トラブル例>
・iPhone11で読めたバーコードがiPhone8で読めなかった
・倉庫の奥や夜になると読みが悪くなった
・Bluetoothバーコードスキャナーだとデータ欠けが発生した

ハンディターミナルとスマートフォン(iOS/Android)、どちらも同じように利用できるシステムが少なく、その違いを説明する人もあまりいません。
情報が少ないため、適切な検証を行わずに導入を進めて、トラブルになります。

我々は様々なお客様と、どちらが適しているかを検討した経験があります。
本ノウハウページでは最新状況(2022年5月)を踏まえた選定ポイントを紹介します。
自社に適した在庫管理システム導入の一助になれば幸いです。

スマートフォンとハンディターミナル 知っておきたい7つの違い

「在庫管理のために、現場でバーコードやQRコードを読むデバイス」という観点より、スマートフォンとハンディターミナルの違いを7つ、紹介します。
なお、スマートフォンもハンディターミナルも様々なメーカーや機種があります。
ここでの説明は、一般論とご理解ください。
また、比較するハンディターミナルはAndroidを搭載した最新機種を想定しています。

1.価格

スマートフォンの場合、安い機種なら数万円。
既に支給されていれば、コストは発生しません。

2.バーコード/QRコードの読み取り

ハンディターミナルは専用モジュールを搭載しており、読み取りが優れています。
スマートフォンはJANやQRコードといった一般的なバーコードは読みますが、以下の様な劣る部分があります。
・読み取りボタンはソフトキー(専用ボタンがない)
・赤い照射光が出ず、カメラ越しに位置を合わせる
・横に長いバーコードは苦手
・未対応のバーコード種がある(GS1-Databarなど)
・暗い場所が苦手
・難読バーコード(汚れ、カスレ)が苦手

スマートフォンカメラが暗くてバーコードを読まない

3.テンキーの有無

ハンディターミナルには、テンキー付き/無しの2タイプがあります。
在庫管理ではテンキー付きが好まれる傾向があり、「テンキーが絶対に必要」という場合は、ハンディターミナル一択となります。

ハンディターミナル・スマートフォン(iOS・Android)でバーコード読み取り

4.他アプリの利用

テンキー付きのハンディターミナルだと、画面は大きくて4インチ。
iPhone13 Miniですら5.4インチと大画面化が進んだ今、3.5インチや4インチの画面では一般的なアプリは使いづらいと感じる人も多いでしょう。
また、ハンディターミナルはAndroidでもGMS(GoogleMobileService)非対応の場合があり、その場合は一般的なアプリは使えません。

在庫管理システム発注点割れ通知

5.安定性(アップデートの制御)

業務機であるハンディターミナルは、アップデートを制御できます。
スマートフォンは、OSやファームウェアが自動アップデートされることがあります。
当社実績では、アップデートに伴うトラブルは少ないのですが、やはり不安要因です。
安定性を求めるならハンディターミナルのほうが優れていると言えます。
(法人用スマートフォンだとアップデートを制御できるものもあります)

6.軽さ

読み取りモジュールを搭載するハンディターミナルは、スマートフォンに比べ50~100g 程度重くなります。
多くの現場では問題になりませんが、女性の方が多い現場では重量を問題視されることがあります。

7.堅牢性

「ハンディターミナルのほうが堅牢性に優れている」と言われますが、スマートフォンの堅牢性も高くなっており、今では違いを感じません。

スマートフォンとハンディターミナルの比較


スマートフォンの検証ポイント

違いを理解した上で、スマートフォンを導入したい場合、検証が大切になります。
「様々な時間帯で」「実際の現場で」「実際のバーコードで」「実際の機器で」「実際のアプリで」検証しましょう。
ポイントを紹介します。

バーコードの読み取り

・利用するバーコードを読み取れるか?
・読み取り深度(読み取れる範囲)は問題ないか?
・暗い時間帯でも読み取れるか?
・倉庫の奥の方でも読み取れるか?
・難読バーコードはないか?

スマートフォンのカメラ読取り(JANコード)

操作性

・読み取りボタンがソフトキーで問題ないか?
・画面越しに位置を合わせる操作で問題ないか?

その他

・全機種で検証したか?(複数の機種を使う場合)
・画面サイズや重量は問題ないか?
・利用場所でのインターネット接続は問題ないか?

Bluetoothバーコードスキャナーを用いる場合の注意点と検証ポイント

スマートフォンの読み取りが思わしくなかった場合、Bluetoothバーコードスキャナーを使う対処法があります。
読み取りについては改善されますが、新たな課題が発生します。
それらが許容できるかを確認・検証しましょう。

コスト

スキャナーの購入費用は問題ないか?

両手がふさがる

スマートフォンとスキャナーの2台持ちで作業性を損なわないか?

スマートフォンと外部スキャナーでの読み取り

ウェアラブルに関する課題

両手がふさがる対策としてウェアラブルがあります。
・スマートフォンを腕に付ける
・リング型スキャナーを指に付ける
しかし、「わずらわしい」「棚や箱にスキャナーをぶつける」という声も。
作業に支障がないか確認しましょう。

バーコードリングスキャナー

接続に関する課題

Bluetooth接続なので、日々のペアリングに問題はないか確認しましょう。
また、データ欠けが発生することがあります。
これらは、スマートフォンとスキャナーの相性とも言える現象です。
実機で検証するしかありません。

検証の流れ

スマートフォンの性能が上がり、カメラでの読み取りも年々良くなっています。
当社ユーザーでスマートフォンを活用されている方の大半は、カメラ読み取りです。

こちらの動画では、カメラ読み取りでのバーコード検品の様子がご覧頂けます。
(スマートフォン操作のみ確認される場合は2:00~)

まずはカメラ読み取りを検証し、操作性を含めて問題がないかを見極めましょう
どうしても満足できない場合は、外部スキャナーまたはハンディターミナルを検討すると良いでしょう。

実機検証が可能なクラウド在庫管理システム

接続トラブルの心配もなく、コスト競争力も高いスマートフォンのカメラ読み取り。
導入前には「様々な時間帯で」「実際の現場で」「実際のバーコードやQRコードで」「実際の機器で」「実際のアプリで」検証することをお勧めします。

我々が提供する「在庫スイートクラウド」30日間無料の体験版を用意しています。
カメラは、読み取るバーコード・QRコードに適した範囲に4パターンで切り替えが可能。
バーコードが密集している場合でも、
意図しないバーコードが読み取り範囲に含まれるリスクを軽減します。
また、前回の読み取り範囲はデバイス・項目ごとに記憶されます。

なお、スマートフォンはiOS(iPhone)/Android、またハンディターミナルにも対応しています。
バーコードやQRコードラベルの発行も可能です。

品目データとPCとスマートフォンがあれば、すぐに体験可能。
まずは、以下の「在庫スイートクラウドの機能を見る」をクリックし、製品ページをご覧下さい。

<カメラ読取り範囲の切り替え>

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